横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行の貸出金利と預金金利の上がり方の差
横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行で、貸出の金利が上がったとき、預金の金利はどれだけ上がったか
横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行の国内業務部門で、2026年3月期の貸出金利回は前の期より0.28ポイント上がりました。同じ期に、預金等利回は前の期より0.153ポイント上がりました。貸出の金利の上がり方より小さい幅で、預金の金利も上がりました。
横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行:3行合算・貸出先:個人・法人
- 預金者→横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行:預金(預金者が3行に預金する)
- 横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行→預金者:預金利息(預金に対して3行が利息を払う)
- 横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行→貸出先:貸出金(3行が個人・法人に貸し出す)
- 貸出先→横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行:貸出金利息(借入金に対して貸出先が3行に利息を払う)
資金調達費用(預金利息)
銀行の主な資金調達の方法は、預金者から預金を受け入れることです。預金に対して銀行が払う利息の割合を、預金等利回(譲渡性預金(CDなど、譲渡できる預金)を含む預金に対する年間の利息の割合)と呼びます。横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行(3行合算)の国内業務部門で見ると、預金等利回は2024年3月期0.003%、2025年3月期0.068%、2026年3月期0.221%と上がりました。2026年3月期の預金等の平均残高は202,692億円でした。
2026年3月期の国内預貸金利息の増加の説明
会社は2025年5月12日の決算短信で、2026年3月期の計画の理由に「政策金利の引き上げやソリューション営業の強化よる国内預貸金利息の増加」を挙げました。預貸金利息(貸出金利息と預金利息の差にあたり、譲渡性預金利息を含む額)の実績は、3行合算で2025年3月期の1,568億円から2026年3月期の1,777億円になりました(前年度比209億円)。
収益
貸出金利回(貸出金に対して1年間でどれだけの利息を受け取ったかの割合)は、国内業務部門・3行合算で2024年3月期0.95%、2025年3月期1.07%、2026年3月期1.35%と上がりました。2026年3月期の貸出金の平均残高は164,667億円でした。
事業と経費
前中期経営計画の営業人員数の増強
前の中期経営計画(2022〜2024年度)で会社は重点戦略に「人財ポートフォリオ改革・エンゲージメント向上」を掲げました。営業人員数の実績は2022年度2,237名、2023年度2,261名、2024年度2,395名で、会社は「営業人員数の増強は計画未達」と記載しています。判定は未達です。会社自身がそう記載しているためです。新しい中期経営計画は2027年度に営業人員数2,510名を目標にしています。
利益と資本
2025年3月期の期初計画
会社は2024年5月13日の決算短信で、2025年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益を750億円と計画しました。実績は、親会社株主に帰属する当期純利益828億円、3行合算の業務粗利益2,444億円、実質業務純益(業務粗利益から経費を引いた、本業の利益を示す指標)1,172億円、当期純利益804億円、与信関係費用(貸出先の財務悪化などに備えて計上する費用)94億円でした。
2026年3月期の期初計画
会社は2025年5月12日の決算短信で、2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益を955億円と計画しました。会社は期中の2025年11月13日に純利益の予想を1,030億円へ引き上げ、実績は親会社株主に帰属する当期純利益1,065億円、業務粗利益2,733億円、実質業務純益1,391億円、当期純利益990億円、与信関係費用74億円でした。期初の計画だけでなく、引き上げた後の予想も実績が上回ったためです。会社は2026年3月期の純利益について「L&Fアセットファイナンスの子会社化による収益貢献もあり」と説明しています。
中期経営計画の2027年度目標
中期経営計画(2025〜2027年度)で会社は、2027年度のROE(東証基準、親会社株主に帰属する当期純利益を自己資本で割った割合)を9.0%超、親会社株主に帰属する当期純利益を1,200億円超にする計画を示しました。計画の1年目にあたる2026年3月期の実績は、ROE7.91%、親会社株主に帰属する当期純利益1,065億円でした。判定は途中です。2027年3月期については会社自身が純利益1,290億円・ROE9.0%の計画を示しており、2027年度目標の成否はまだ分からないためです。会社は純利益を伸ばす要因に「預貸金利息の増加やL&Fの収益貢献により、当期純利益は1,200億円超へ」を挙げています。
株主への還元
2025年3月期の年間配当予想
会社は2024年5月13日の決算短信で、2025年3月期の年間配当予想を26.00円としました。実績は29.00円で、判定は上回ったです。期初予想より実際の配当が多かったためです。
2026年3月期の年間配当予想
会社は2025年5月12日の決算短信で、2026年3月期の年間配当予想を34.00円としました。2025年11月13日に37.00円へ修正され、実績は38.00円でした。期初予想・修正後の予想のいずれも、実績がそれを上回ったためです。
配当性向の方針(2021年)とその後
2021年6月23日の有価証券報告書で会社は「配当性向35%以上を目標とし、1株当たり配当金の安定的な増加を目指していきます」としました。その後の配当性向は2023年3月期40.0%、2024年3月期40.2%でした。2025年3月期の有価証券報告書では「配当性向40%程度を目安とし、自己株式の取得については柔軟かつ機動的に実施します」という表記に変わりました。判定は変更されたです。35%以上という目標から、40%程度という目安へ、方針の言葉が変わったためです。
中期経営計画の配当性向の方針
中期経営計画(2025〜2027年度)で会社は「累進的な配当を基本とし、配当性向は40%程度を目安とする」としています(累進的な配当=配当を減らさず、同額か増額を続ける方針)。計画の1年目の2026年3月期の実績は40.4%で、計画期間の前の2025年3月期も40.4%でした。判定は計画どおりです。40%程度という目安に収まっているためです。
自己株式の取得による支出は、2025年3月期のマイナス約200億円から2026年3月期のマイナス約418億円になりました。
資本の使い道と計画
2026年3月期の投資の支出は、有形固定資産の取得でマイナス約139億円、無形固定資産の取得でマイナス約95億円でした。2025年3月期はそれぞれマイナス約102億円、マイナス約56億円でした。自己株式の取得と合わせて、資本が配当・自己株式の取得・固定資産や無形資産への投資に使われています。
まとめ
横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行では、2026年3月期にかけて貸出金利回・預金等利回のどちらも上がりましたが、預金等利回の上げ幅0.153ポイントは、貸出金利回の上げ幅0.28ポイントより小さい幅でした。3行合算の預貸金利息は2025年3月期の1,568億円から2026年3月期の1,777億円へ増え、会社が期初に示した純利益・配当の計画は、2025年3月期・2026年3月期とも実績が上回りました。配当性向の方針は「35%以上」から「40%程度」へ表記が変わり、前の中期経営計画では営業人員数の増強が計画未達でした。
次の決算注目ポイント
- 貸出金利回・預金等利回・預貸金利回差(国内と全店、銀行別):決算説明資料
- 3行合算の預貸金利息・当期純利益・与信関係費用:決算説明資料
- 個人預金・法人預金の期末残高:決算説明資料
- 連結の貸出金利息・預金利息:連結損益計算書
- 次の期の計画と配当予想:決算短信
補足表
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 貸出金利回(国内・3行合算) | 0.95% | 1.07% | 1.35% |
| 預金等利回(国内・3行合算) | 0.003% | 0.068% | 0.221% |
| 貸出金の平均残高(国内・3行合算) | 157,701億円 | 158,769億円 | 164,667億円 |
| 預金等の平均残高(国内・3行合算) | 197,502億円 | 197,187億円 | 202,692億円 |
用語
| 用語 | 言い換え |
|---|---|
| 貸出金利回 | 貸出金に対して、1年間でどれだけの利息を受け取ったかの割合 |
| 預金等利回 | 預金に対して、1年間でどれだけの利息を払ったかの割合(譲渡性預金を含む) |
| ポイント | %どうしの差を表す単位(例えば1.07%のように、%の値どうしの差を指す) |
| 国内業務部門 | 海外の店や外貨の取引を除いた、国内の円の取引の部分 |
| 3行合算 | 横浜銀行・東日本銀行・神奈川銀行の3つの銀行の数字を足したもの |
| 預貸金利息 | 貸出金利息と預金利息の差にあたる額で、譲渡性預金利息を含む |
| 業務粗利益 | 一般事業法人の売上粗利益にあたる銀行の利益 |
| ROE | 親会社株主に帰属する当期純利益を自己資本で割った割合 |
| 譲渡性預金 | CDなど、他者に譲渡できる仕組みの預金 |
| 実質業務純益 | 業務粗利益から経費を引いた、本業の利益を示す指標 |
| 与信関係費用 | 貸出先の財務悪化などに備えて計上する費用 |
| 累進的な配当 | 配当を減らさず、同額か増額を続ける方針 |
| - ポイント:%どうしの差を表す単位(0.95%から1.07%なら0.12ポイント上がった、という言い方) |
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