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企業分析 / メタウォーター(9551)

メタウォーター 受注残を積み上げる水インフラの事業構造

中期経営計画2027の目標は、2年目までにどこまで進んだか

対象決算期2017年3月期〜2026年3月期(3月決算・連結)と2027年3月期第1四半期
照合した会社の説明2024年4月24日〜2026年7月29日の決算説明資料・中期経営計画の説明資料・有価証券報告書
調査基準日2026年10月8日

中期経営計画2027の目標と2年目までの実績

答え

  1. 2026年3月期の売上高と営業利益は期初の計画を上回りましたが、2025年10月の修正計画にはわずかに届きませんでした。
  2. 会社は2026年4月24日、2028年3月期の目標を売上高2,450億円・営業利益165億円に引き上げました。
  3. 2026年3月期は、システムソリューション事業と海外事業の営業利益が、期初の事業別計画に届きませんでした。
区分 当初の目標(2028年3月期) 2025年3月期 実績 2026年3月期 実績 見直し後の目標(2028年3月期)
売上高(億円) 2,000 1,790 2,098 2,450

注:当初の目標は「2024年3月期決算および中期経営計画2027説明資料」 p20、実績と見直し後の目標は「2026年3月期決算説明資料」 p18。どちらも会社の億円表示です。

計画2年目の2026年3月期、売上高は2,098億円で、当初の最終年度目標2,000億円を上回りました。会社は「当初の計画を大幅に更新する見込み」になったとして、目標を引き上げました。

売上高は2年目で当初の最終年度目標を超え、会社は目標を引き上げました。一方で、年度の修正計画と一部の事業別計画には届きませんでした。

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ここからは、会社が決算説明や中期経営計画で示した計画と、その後の実績を資料どおりに並べます。

会社の計画・方針とその後の実績

説明した時期・資料 会社の説明 その後の実績 照合 根拠
2024年4月24日 説明資料 p4 2024年3月期の予想(2023年4月26日付):売上高1,550億円・営業利益100億円 売上高1,656億円・営業利益99億円。会社は「営業利益は若干の未達」と説明 届かなかった 営業利益が予想を下回った。売上高は予想を上回った。 p4・p13
2024年4月24日 中期経営計画2027 p20 2028年3月期:売上高2,000億円・営業利益130億円 2026年4月24日に売上高2,450億円・営業利益165億円へ見直し 変更された 2026年3月期の売上高2,098億円が当初目標を上回った。 p18
2024年4月24日 中期経営計画2027 p20 最終年度のROE(自己資本で上げた利益の割合)10%以上 2026年3月期のROE10.7%。ROIC7.2%(WACC6.6%) 途中 最終年度は2028年3月期。 p2・ p24
2024年4月24日 財務方針 p29 4年間の配分:研究開発・投融資400億円、人的投資・DX投資50億円、資本・配当200億円 2年間の実績:235億円、32億円、52億円 途中 4カ年計画の2年目までの実績。成長投資の内訳は開示なし。 p24

注:金額は会社の億円表示です。ROIC は事業に投じた資金に対する利益の割合、WACC は資金を集めるのにかかる費用の割合です(会社の資料の用語)。

2024年3月期の営業利益は、予想100億円に対し99億円でした。中期経営計画2027の目標は、2年目に変更されています。

中期経営計画2027の売上高目標は2年目に見直されました。中期経営計画2023の最終年度の営業利益は、予想を下回っていました。

年度の計画・配当の方針とその後の実績

会社の説明(時期) その後の実績 照合 根拠
2025年3月期の修正予想 売上高180,000・営業利益9,700(2025年1月30日) 売上高179,094・営業利益10,626 届かなかった 売上高は予想比▲905、営業利益は予想を上回った。 p5
2026年3月期の期初予想 売上高200,000・営業利益11,500(2025年4月24日) 売上高209,844・営業利益12,879 上回った p12・ p16
2026年3月期の修正予想 売上高210,000・営業利益13,000(2025年10月27日) 売上高209,844・営業利益12,879 届かなかった 2つとも修正予想を下回った。 p4
2026年3月期の事業別営業利益計画 システムソリューション2,800・海外3,600(2025年4月24日) システムソリューション2,625・海外3,285 届かなかった 環境エンジニアリングと運営は計画を上回った(p8)。 p14・ p86
2026年3月期の1株配当予想56円(2025年4月24日) 1株配当70.00円 上回った p15・ p3
配当性向は「30~40%を目安」(2024年4月24日) 2025年3月期31.8%、2026年3月期33.4% 計画どおり p29・ p78・ p2・p3

注:金額の単位は百万円(配当は円)です。

2026年3月期は、期初予想を上回った一方で、2025年10月27日に引き上げた修正予想には売上高・営業利益とも届きませんでした。2025年3月期も、売上高は1月の修正予想を下回りました。配当は予想の56円を上回る70.00円でした。

連結の期初予想は上回りましたが、修正後の予想と事業別の計画には届かなかった項目があります。

確認点と分からないこと

確かめられたこと

公開資料からは分からないこと

  • PPP の受注件数の実績
  • 2023年3月期以前の新しい4区分の数字(旧2区分と比べられません)
  • 地域別の営業利益
  • 成長投資235億円の研究開発・M&A・PPP 別の内訳
  • 決算説明会の質疑応答の要旨は、会社のウェブサイトを開けず未確認です

次の通期決算で、同じ数字が載る資料(2026年4月24日・6月16日に公表された資料での位置)

  • 連結の受注高・売上高・営業利益と次の期の予想:決算説明資料 p4・p13
  • 事業別の実績と予想:決算説明資料 p7・p15 、有価証券報告書 p86
  • 受注残高の推移:決算説明資料 p14 、受注残の工期別(単体):同 p27
  • 中期経営計画2027の進み具合とキャッシュ・アロケーション:決算説明資料 p18・p24
  • 配当と配当性向:決算説明資料 p16 、有価証券報告書 p3・p29
  • 地域別の売上高・研究開発費・設備投資:有価証券報告書 p87・p22・p23

2028年3月期の見直し目標と、修正予想・事業別計画との差が、次の決算で確かめる点です。

ここからは、計画と実績の背景になる数字です。売上と利益の全体の推移はメタウォーターの会社ページにもあります。

10期の業績と株主還元

年度 売上高 営業利益 営業利益率 1株配当 配当性向
2017年3月期 111,688 6,328 5.7% 29.0円 31.7%
2018年3月期 110,895 6,745 6.1% 29.0円 38.2%
2019年3月期 117,342 7,607 6.5% 31.0円 31.1%
2020年3月期 128,723 8,223 6.4% 35.5円 30.7%
2021年3月期 133,355 10,863 8.1% 40.0円 26.6%
2022年3月期 135,557 8,146 6.0% 40.0円 27.9%
2023年3月期 150,716 8,688 5.8% 42.0円 29.3%
2024年3月期 165,561 9,903 6.0% 46.0円 29.2%
2025年3月期 179,094 10,626 5.9% 50.0円 31.8%
2026年3月期 209,844 12,879 6.1% 70.00円 33.4%

注:売上高・営業利益の単位は百万円。2017〜2025年3月期はメタウォーターレポート2025の11年間財務サマリ p78、2026年3月期は有価証券報告書 p2・p3・p16 です。2026年3月期の配当性向は、1株配当70.00円を1株当たり当期純利益209.30円で割って求めました。会社の定義は「配当性向=1株当たり配当金÷EPS」です。

売上高は10期で111,688百万円から209,844百万円に増えました。営業利益率は5.7%〜8.1%の範囲です。最も高い2021年3月期について、会社は一過性の要因を除いた本業ベースの営業利益を91億円と説明しています。1株配当が前期を下回った年はありません。配当性向は2021〜2024年3月期に26.6%〜29.3%で、2024年4月24日に会社が示した目安「30~40%」より低い水準でした。

自己株式(会社の資料に載っている範囲)

  • 2024年3月期:自己株式3,402百万円を消却
  • 2026年3月期:取締役会決議による取得は「該当事項はありません」
  • 中期経営計画2027の株主還元には「機動的な自己株式取得」が含まれています

この10期で1株配当は一度も前期を下回らず、配当性向は2025年3月期から会社の目安の範囲に入りました。

事業別の売上高と利益(新しい4区分・3期)

事業 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
環境エンジニアリング 52,878/3,009 52,367/2,362 58,475/4,543
システムソリューション 52,570/3,690 57,211/3,422 61,154/2,625
運営 28,880/2,111 31,787/2,219 33,455/2,425
海外 31,232/1,092 37,727/2,621 56,759/3,285

注:セルは売上高/セグメント利益で、単位は百万円です。2024年3月期は2024年3月期の有価証券報告書に載った組み替え後の値 p81、2025・2026年3月期は p86 です。旧2区分から4区分への変更は、2025年3月期からです。運営事業は、国内の浄水場・下水処理場・資源リサイクル施設の運営を担う事業です。

2026年3月期の売上高はシステムソリューション事業の61,154百万円が最も大きく、利益は環境エンジニアリング事業の4,543百万円が最も大きくなりました。海外事業の売上高は、31,232百万円から56,759百万円に増えています。システムソリューション事業の利益は3,690百万円、3,422百万円、2,625百万円と、2期続けて前期を下回りました。

旧2区分の最後の期(2024年3月期、百万円)[S6] p75

  • プラントエンジニアリング事業のセグメント利益:1,440
  • サービスソリューション事業のセグメント利益:8,463
  • 2023年3月期以前は新しい4区分の数字がなく、4区分の推移とは比べられません

**

地域別の売上高

年度 日本 米国 その他 連結売上高
2023年3月期 125,114 18,612 6,989 150,716
2024年3月期 134,863 22,188 8,509 165,561
2025年3月期 141,445 27,480 10,167 179,094
2026年3月期 153,401 44,418 12,023 209,844

注:単位は百万円です。区分は顧客の所在地によるものです。出典は p76 と p87 です。

連結売上高に占める米国の割合は、2023年3月期の12.3%から2026年3月期は21.2%になりました。国内の主要な顧客として、東京都への売上高は2026年3月期に18,355百万円(総販売実績の8.75%)と開示されています。有価証券報告書には「受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めています」とあります。地域別の営業利益は開示されていません。

受注残高の推移

年度 受注残高(期末) 売上高
2024年3月期 275,071 165,561
2025年3月期 318,700 179,094
2026年3月期 389,299 209,844

注:単位は百万円です。受注残高は、受注したもののまだ売上になっていない額です。出典は p14、 p5、 p16 です。

2026年3月期末の受注残について、有価証券報告書は「約7割は3年以内に収益として認識する」見込みと記載しています。工事などの売上は、進み具合(進捗度)に応じて期間にわたり計上します。会社は単体の受注残について、「長期・大型DBO案件の増加などにより、受注残高は毎期最高値を更新。」と説明しています。DBOとは、自治体が資金を出し、設計・建設と運営を民間に任せる方式です。

受注と季節性(会社の説明)

  • 受注高:2025年3月期222,724百万円、2026年3月期274,532百万円
  • 2027年3月期第1四半期末の受注残高:425,884百万円
  • 「例年1Qの売上高は年間の15%前後」(売上は第4四半期に偏る)

受注残高は2021年3月期から2026年3月期まで6期続けて前期を上回り、売上高に対する倍率は2020年3月期の1.08倍から1.86倍になりました。

研究開発費・設備投資・M&A

年度 研究開発費 設備投資
2022年3月期 2,015 2,907
2023年3月期 2,070 3,174
2024年3月期 2,129 5,790
2025年3月期 2,352 4,052
2026年3月期 2,307 6,868

注:単位は百万円です。2022〜2025年3月期は p78、2026年3月期は p22・p23 です。設備投資には無形固定資産(ソフトウエアなど)への投資を含みます。

研究開発費は5期とも2,015百万円〜2,352百万円の範囲です。設備投資は、2026年3月期に6,868百万円と5期で最も多くなりました。

M&A と資産(2026年3月期)[S2]

  • 新規連結子会社の取得による支出:3,577百万円(p19)
  • 投資有価証券の取得による支出:6,428百万円(p19)
  • 水道機工の普通株式の約35%を公開買付けで取得し、持分法適用会社にしました(「地域別の売上高」)

2026年3月期は、設備投資・子会社の取得・株式の取得への支出が並び、海外事業ののれんも増えました。

計画に届かなかった事業と利益が落ちた時期

事業(2026年3月期) 期初計画の営業利益 実績の営業利益 実績の利益率
システムソリューション 2,800 2,625 4.3%
運営 1,500 2,425 7.2%
海外 3,600 3,285 5.8%

注:営業利益の単位は百万円です。期初計画は「2025年3月期決算説明資料」 p14(2025年4月24日)、実績は p86 です。利益率は実績の営業利益を売上高で割って求めました。

2026年3月期は、4事業のうち2事業が期初の計画に届きませんでした。そのほかにも、利益や資金が落ち込んだ時期があります。旧区分のプラントエンジニアリング事業は、2024年3月期の利益が1,440百万円でした。同じ期の営業活動によるキャッシュ・フロー(本業で入ってきたお金)は△5,486百万円です。2027年3月期の営業利益の会社計画15,000百万円は、第1四半期の資料でも同じ額のまま載っています。

資料による表記の違い

  • 配当性向:連結は2026年3月期33.4%。有価証券報告書の提出会社(単体)の欄は57.5%
  • 会社の配当方針は「連結配当性向30~40%を目指す」で、連結の値が基準です

連結の計画を上回った2026年3月期にも、システムソリューション事業と海外事業の利益は期初計画に届きませんでした。

出典と用語

出典一覧

番号 資料名(メタウォーター) 発表日 使った頁 URL 確認日
[1] 2026年3月期決算説明資料 2026年4月24日 p4・p5・p14・p16・p18・p24・p27 https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260424/20260423509321.pdf 2026年10月8日
[2] 有価証券報告書(第53期・2026年3月期) 2026年6月16日 p2・p3・p5・p6・p9・p16・p18・p19・p22・p23・p29・p84〜p88 https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100YBSD.pdf 2026年10月8日
[3] 2025年3月期決算説明資料 2025年4月24日 p5・p12・p14・p15・p17 https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08491/04696828/6ea3/4947/93b4/3067fe555eae/140120250423521420.pdf 2026年10月8日
[4] 2024年3月期決算および「中期経営計画2027」説明資料 2024年4月24日 p4・p10・p13・p20・p23・p29 https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20240424/20240423574963.pdf 2026年10月8日
[5] メタウォーターレポート2025(11年間財務サマリ) 2025年8月27日 p78 https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20250827/20250826547341.pdf 2026年10月8日
[6] 有価証券報告書(第51期・2024年3月期) 2024年6月25日 p75・p76・p81 https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100TRUM.pdf 2026年10月8日
[7] 2027年3月期第1四半期決算説明資料 2026年7月29日 p4 https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260729/20260728500548.pdf 2026年10月8日
[8] メタウォーターレポート2024 2024年8月3日 p77・p81 https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20240803/20240802561609.pdf 2026年10月8日

PDF 資料の頁は、資料の下部に印字された番号です。PDF のページ番号とは一致しない場合があります。億円の値は会社の説明資料の表示で、百万円の値とは端数の扱いが違います。

用語

用語 このレポートでの意味(資料の定義から)
報告セグメントの変更 2025年3月期から旧2区分(プラントエンジニアリング・サービスソリューション)を4区分に変更
配当性向 1株当たり配当金をEPS(1株当たり当期純利益)で割った値(会社の注記)
DBO 公共が資金を調達し、設計・建設と運営を民間に任せる方式
運営事業 国内の浄水場・下水処理場・資源リサイクル施設の運営を主に行う事業区分
収益の認識 工事などの進み具合(進捗度)を見積もり、期間にわたって売上に計上する方法
WBC クラウドを使って上下水道事業を支えるICTサービス

付録 照合の根拠(資料の抜き書き)

会社の計画と実績の照合(p9〜p10)に使った数字の、資料の文字そのままの抜き書きです。

根拠の番号 資料・頁 抜き書き
F140 [4] p4 1,600 1,550 100 95 64
F142 [4] p4 2,119 1,656 99 105 69
F143 [4] p4 2,119 1,656 99 105 69
F144 [4] p13 営業利益は若干の未達ながら、売上高、営業利益共に過去最高を更新。
F156 [4] p20 8%以上 10%以上
F157 [2] p2 11.1 10.1 10.0 8.9 10.7
F158 [1] p24 ROIC > WACC 7.2% 6.6%
F159 [1] p24 ROIC > WACC 7.2% 6.6%
F160 [4] p29 研究開発・投融資 400億円
F161 [4] p29 人的投資・DX 投資 50億円
F162 [4] p29 資本・配当 200億円
F163 [1] p24 235億円(2カ年実績)
F164 [1] p24 32億円(2カ年実績)
F165 [1] p24 52億円(2カ年実績)
F167 [3] p5 220,000 180,000 9,700 9,100 6,200
F168 [3] p5 220,000 180,000 9,700 9,100 6,200
F9 [5] p78 150,716 165,561 179,094
F19 [5] p78 8,688 9,903 10,626
F169 [3] p5 +2,724 ▲905 +926 +851 +652
F171 [3] p12 230,000 200,000 11,500 10,900 7,500
F170 [3] p12 230,000 200,000 11,500 10,900 7,500
F10 [2] p16 売上高 179,094 209,844 +30,749 +17.2

この記事の作り方:AI が会社の一次資料(有価証券報告書・決算短信・決算説明資料・中期経営計画)から下書きし、数字と言葉が資料の該当ページに書かれているかを、書いていない別の AI と機械の確認で1件ずつ照らし合わせています。公開の前に人が読む確認はしていません。

調査基準日:2026年10月8日。株価・予想・売買の推奨は扱いません。誤りに気づいたら訂正の連絡先へお知らせください。用語の共通の決まりと免責は企業分析の記事についてにあります。