カプコン 旧作の長期販売と利益構造
「毎期10%の営業増益」「年間1億本」の計画は、その後どうなったか
| 対象決算期 | 2017年3月期〜2026年3月期(3月決算・連結) |
|---|---|
| 照合した会社の説明 | 2020年5月12日〜2026年5月13日の決算説明資料・質疑応答・株主総会の質疑 |
| 調査基準日 | 2026年10月6日 |
新作の本数が減った期の旧作販売と営業利益
答え
- 新作の本数が前期を下回った2024年3月期と2026年3月期も、前期以前に出した作品(旧作)の本数と営業利益は前期を上回りました。
- 会社は2020年5月12日、新作は「発売翌期以降は利益率の高いリピートタイトル」になると説明しています [8] p2。旧作の本数と営業利益が2022〜2026年3月期の毎期そろって増えた点は、この説明と合います。
- 一方、旧作が増えても会社全体の営業利益率が前期を下回った年が2回ありました(「旧作の販売本数と営業利益率・次の決算の確認点」)。2026年3月期はアミューズメント機器事業(スマートパチスロなど)の利益の増加も重なり(「事業別の売上高と営業利益(5期)」)、旧作だけの利益と2026年3月期の評価損の額は開示がありません。
| 年度 | 新作(万本) | 旧作(万本) | 営業利益(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 860 | 2,400 | 42,909 |
| 2023年3月期 | 1,240 | 2,930 | 50,812 |
| 2024年3月期 | 959 | 3,629 | 57,081 |
| 2025年3月期 | 1,238 | 3,949 | 65,777 |
| 2026年3月期 | 960 | 4,946 | 75,295 |
注:家庭用ゲーム(コンシューマ)の販売本数。新作=その期に発売したタイトル、旧作=会社の言うリピートタイトル(前期以前に発売したタイトル)。本数は万本単位の概数 [1] p6。営業利益は [12][13]。
2026年3月期の新作は960万本で、前期の1,238万本を下回りました。同じ年に旧作は4,946万本売れ、営業利益は75,295百万円。営業利益は、このレポートで扱う10期すべてで前期を上回っています。旧作の本数は5期とも前期より多く、新作の本数は年ごとに上下しました。
旧作は利益率が高いという会社の説明は、多くの年の数字と合います。ただし機器事業の上乗せと評価損の額が分からない限り、旧作だけで利益がいくら増えたかは決められません。
この会社の章がある本:『一つのヒットを何度も売る会社のしくみ』
会社の計画・方針とその後の実績
| 説明した時期・資料 | 会社の説明 | その後の実績 | 照合 |
|---|---|---|---|
| 2020年5月12日 事業戦略 [7] p3・p6 | 毎期の営業増益(10%)を目指す。2021年3月期の営業利益計画は255億円 | 2021年3月期は345億円。2026年3月期の資料の表記は「13期連続営業増益、11期連続で10%以上」[1] | 計画を上回った。10%以上の増益は2026年3月期まで続いている |
| 2024年5月9日・2025年5月13日 決算補足資料 [5] p2・[4] p3 | 連結計画:2025年3月期 売上高1,650億円・営業利益640億円、2026年3月期 1,900億円・730億円 | 2025年3月期 1,696億円・657億円、2026年3月期 1,953億円・752億円 [1] p4 | 2期とも計画を上回った |
| 2021年5月13日・2022年5月11日・2023年5月10日 事業戦略および計画 [16] p7・[17] p7・[18] p11 | 連結の営業利益計画(百万円):2022年3月期42,000、2023年3月期48,000、2024年3月期56,000 | 42,909、50,812、57,081 [12] | 3期とも計画を上回った |
| 2020年5月12日 事業戦略 [7] p5・p9 | 2021年3月期の販売本数2,800万本(旧作1,800万本) | 3,010万本(旧作2,050万本)[5] p15 | 計画を上回った |
| 2024年5月9日 決算補足資料 [5] p7・p15 | 2025年3月期 5,000万本(新作1,300万本・旧作3,700万本) | 5,187万本(新作1,238万本・旧作3,949万本)[1] p6 | 合計と旧作は上回り、新作は届かなかった |
| 2025年5月13日 決算補足資料 [4] p6 | 2026年3月期 5,400万本(新作800万本・旧作4,600万本) | 5,907万本(新作960万本・旧作4,946万本)[1] p6 | 合計・新作・旧作とも上回った |
| 2023年6月20日 株主総会 [9]・株主還元ページ [10] | 「連結配当性向30%」と安定配当の継続 | 2017〜2026年3月期は30.0〜36.1%。2026年5月13日の資料の表記は「30%以上」[2] p17 | 10期とも30%以上 |
| 2024年5月9日 決算補足資料 [5] p7 | 長期目標「年間1億本販売」 | 2026年3月期 5,907万本、2027年3月期の計画6,500万本 [1] p14 | 達成の時期は示されていない |
注:旧作は会社の言うリピートタイトル。「年間1億本」は、確認できた中で最も早い資料が2024年5月9日の決算補足資料です。
会社全体の数字は、照合した説明のほとんどで計画を上回りました。連結の営業利益は、2021〜2026年3月期のどの年も期初の計画を上回っています [7][16][17][18][5][4]。計画に届かなかったのは2025年3月期の新作の本数で、1,300万本の計画に対し1,238万本でした。配当の方針は、同じ会社の資料で「30%」と「30%以上」の2つの表記が並んでいます。
会社全体で示した利益と本数の計画は、照合したすべての期で上回り、届かなかったのは2025年3月期の新作の本数だけでした。
計画・説明に届かなかった項目
| 会社の説明(時期) | その後の実績 | 照合 |
|---|---|---|
| デジタルコンテンツ事業の営業利益計画:2025年3月期669億円(「10%以上の成長」)、2026年3月期727億円(2024年5月9日・2025年5月13日)[4] p4・p5 | 2025年3月期651億円(前期比+8.9%)、2026年3月期706億円(前期比+8.4%)[1] p4・補足p2 | 2期とも計画に届かなかった |
| アミューズメント機器事業の営業利益計画:2025年3月期48億円、2026年3月期74億円 [4] p4・p9 | 2025年3月期67億円、2026年3月期100億円 [1] p4 | 2期とも計画を上回った |
| eスポーツは「将来の収益化に向け、投資を推進」(2020年5月12日)[7] p16 | eスポーツ・映像の営業損益は2022年3月期△7億円、2023年3月期△13億円、2024年3月期△15億円、2025年3月期△12億円、2026年3月期△6億円。2027年3月期の計画も△9億円 [1] p17 | 5期とも営業赤字 |
| デジタル比率をさらに高める考えを問う質問に対し、会社は「PC への対応に注力」と回答(2020年5月12日)[8] p1 | 本数のデジタル比率は2020年3月期80.6%、2021年3月期76.9%、2022年3月期75.5%、2023年3月期89.4%、2026年3月期93.0% [5] p15・[1] p6 | 2期は2020年3月期を下回り、2023年3月期から上回った |
連結の計画を上回った2025年3月期と2026年3月期も、デジタルコンテンツ事業の営業利益は計画に届いていません。アミューズメント機器事業とその他事業は、計画を上回りました [1] p4。2024年3月期について、会社は売上高が計画を125億円上回ったのに営業利益の上振れが10億円だった理由に、減損計上額の増加、一部タイトルの計画未達、旧作のパッケージ本数の増加による一般原価などの増加、人への投資とIT投資を挙げています [6] p2。
会社全体の計画を上回った2期にも、ゲームの事業の利益は計画に届かず、2020年5月12日に投資を進めると説明したeスポーツ・映像は5期続けて営業赤字でした。
旧作の販売本数と営業利益率・次の決算の確認点
| 年度 | 旧作(万本) | 旧作の比率 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2020年3月期 | 1,820 | 71.4% | 28.0% |
| 2021年3月期 | 2,050 | 68.1% | 36.3% |
| 2022年3月期 | 2,400 | 73.6% | 39.0% |
| 2023年3月期 | 2,930 | 70.3% | 40.3% |
| 2024年3月期 | 3,629 | 79.1% | 37.5% |
| 2025年3月期 | 3,949 | 76.1% | 38.8% |
| 2026年3月期 | 4,946 | 83.7% | 38.5% |
注:旧作の本数と比率は会社の公表値で、2020・2021年3月期は [5] p15、2022〜2026年3月期は [1] p6。営業利益率は 「10期の業績と株主還元」 と同じ会社の公表値。
旧作の本数は2022〜2026年3月期の毎期、前期を上回りました。それでも2024年3月期と2026年3月期の営業利益率は前期を下回っています(40.3%から37.5%、38.8%から38.5%)。反対に、旧作の比率が前期より下がった2021年・2023年・2025年3月期には、営業利益率が上がりました。旧作が利益率を動かした大きさを言い切れない理由は4つです。旧作だけの売上高と利益は開示がなく、開示は本数だけ。営業利益率は施設や機器を含む会社全体の値です。実際の販売価格も開示がなく、「60〜70ドルから10ドル、5ドル」は会社の目安で実績値ではありません [11]。評価損の作品別の内訳はなく、2026年3月期の総額も未確認です。
新作の長期販売にも、まだ判断できない例があります。会社の説明は約5年で本数と利益を最大にする想定で [6] p2、『モンスターハンターワイルズ』は2026年3月期でその5年の途中です。1年目の1,010万本は前の2作の1年目(『ワールド』790万本、『ライズ』480万本)を上回り、2年目の130万本は前の2作の2年目(450万本、410万本)を下回りました [2] p12。
次の通期決算で、同じ数字が載る資料(2026年5月13日に公表された資料での位置)
- 新作・旧作・デジタルの本数と次の期の計画:決算補足資料(実績・計画)p6・p14 [1]
- 事業別の計画と実績:同 p4 [1]、eスポーツ・映像の損益:同 p17 [1]
- 開発投資額と仕掛品:同 補足 p1・p3 [1]
- 作品別の年度別本数・シリーズ累計・地域別本数:決算補足資料(中長期戦略)p12・p6・p9 [2]
- 評価損と旧作についての会社の説明:質疑応答概要 p1〜p3 [3]
- 配当性向:決算補足資料(中長期戦略)p17 [2]
- 会社が示した2027年3月期の計画:販売本数6,500万本(旧作5,300万本)、開発投資額629億円 [1] p14 ほか
旧作の本数と会社全体の利益率は同じ向きに動かない年があり、旧作が利益率をどれだけ動かしたかは公開資料からは確かめられません。
主要タイトルの年度別販売本数
| 年度 | バイオハザード7 | モンスターハンター:ワールド | バイオハザード RE:2 | デビル メイ クライ5 |
|---|---|---|---|---|
| 2017年3月期 | 350 | - | - | - |
| 2018年3月期 | 160 | 790 | - | - |
| 2019年3月期 | 120 | 450 | 420 | 210 |
| 2020年3月期 | 100 | 450 | 240 | 130 |
| 2021年3月期 | 150 | 230 | 160 | 100 |
| 2022年3月期 | 180 | 170 | 140 | 90 |
| 2023年3月期 | 120 | 140 | 220 | 210 |
| 2024年3月期 | 130 | 280 | 200 | 130 |
| 2025年3月期 | 130 | 310 | 140 | 120 |
| 2026年3月期 | 260 | 110 | 290 | 270 |
| 2026年3月期末の累計 | 1,740 | 2,960 | 1,830 | 1,290 |
注:各年度の販売本数(万本。会社の注記は万本単位切捨て、値は10万本きざみ)。『モンスターハンター:ワールド』は『モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション』を含む [2] p12。
4作とも、最初に本数が載った期から8期以上、毎年90万本以上売れています。2026年3月期の本数は、『バイオハザード7』『RE:2』『デビル メイ クライ5』の3作で、最初の期を除いた中で最も多くなりました。会社は2026年5月13日の質疑で、「バイオハザード」シリーズについて新作の投入でリピート販売も好調と説明しています [3]。『ワールド』は2023年3月期の140万本から2024年3月期に280万本、2025年3月期に310万本。会社は2024年5月13日の質疑で、『ワールド』を9.99ドルで売り、本数が大きく増えたと述べました [6] p2。
旧作の本数は毎年同じではなく、最初の期から8〜10期目に前期を上回る作品が複数あります。
販売上位タイトルとシリーズ累計(2026年3月期)
| タイトル | シリーズ | 2026年3月期(万本) | 期末累計(万本) |
|---|---|---|---|
| バイオハザード レクイエム | バイオハザード | 691 | 691 |
| バイオハザード RE:4 | バイオハザード | 369 | 1,360 |
| バイオハザード ヴィレッジ | バイオハザード | 362 | 1,493 |
| バイオハザード RE:3 | バイオハザード | 346 | 1,336 |
| バイオハザード RE:2 | バイオハザード | 291 | 1,832 |
| デビル メイ クライ5 | デビル メイ クライ | 271 | 1,294 |
| バイオハザード7 | バイオハザード | 261 | 1,740 |
| ストリートファイター6 | ストリートファイター | 204 | 671 |
| バイオハザード6 | バイオハザード | 186 | 1,688 |
| バイオハザード5 | バイオハザード | 170 | 1,901 |
| モンスターハンターライズ | モンスターハンター | 151 | 1,869 |
| モンスターハンターライズ:サンブレイク | モンスターハンター | 142 | 1,130 |
| モンスターハンターワイルズ | モンスターハンター | 132 | 1,142 |
注:2026年3月期の販売上位タイトル [1] p7。この表の値は1万本きざみで、「主要タイトルの年度別販売本数」 の表(会社の注記は万本単位切捨て、値は10万本きざみ)とは同じ作品でも値が少し違います。
上位13作のうち8作がバイオハザードのシリーズです。2026年3月期の本数と期末累計が同じ値なのは『レクイエム』だけで、ほかの12作は前期までに販売が始まっていました。2009年3月発売の『バイオハザード5』と2012年10月発売の『バイオハザード6』も上位に残っています [19]。
シリーズ累計と初出年(会社のウェブページの表示で2026年8月末現在・2026年3月期末より後の分を含む)[14]
- バイオハザード:1996年から、2億1,300万本
- モンスターハンター:2004年から、1億3,100万本
- ストリートファイター:1987年から、6,000万本
- ロックマン:1987年から、4,500万本
- デビル メイ クライ:2001年から、4,100万本
- 逆転裁判:2001年から、1,500万本
- ドラゴンズドグマ:2012年から、1,400万本
- 2026年3月期末の値は、バイオハザード2億100万本、モンスターハンター1億2,700万本、ストリートファイター5,900万本 [2] p6
2026年3月期の上位作は、1996年に始まったバイオハザードのシリーズが13作中8作を占め、2009年発売の作品まで含みます。
10期の業績と株主還元
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2017年3月期 | 87,170 | 13,650 | 15.7% | 50円 | 31.2% |
| 2018年3月期 | 94,515 | 16,037 | 17.0% | 60円 | 30.0% |
| 2019年3月期 | 100,031 | 18,144 | 18.1% | 35円 | 30.3% |
| 2020年3月期 | 81,591 | 22,827 | 28.0% | 45円 | 30.1% |
| 2021年3月期 | 95,308 | 34,596 | 36.3% | 71円 | 30.4% |
| 2022年3月期 | 110,054 | 42,909 | 39.0% | 46円 | 30.2% |
| 2023年3月期 | 125,930 | 50,812 | 40.3% | 63円 | 36.1% |
| 2024年3月期 | 152,410 | 57,081 | 37.5% | 70円 | 33.7% |
| 2025年3月期 | 169,604 | 65,777 | 38.8% | 40円 | 34.5% |
| 2026年3月期 | 195,365 | 75,295 | 38.5% | 45円 | 34.5% |
注:売上高・営業利益は百万円 [12][13]。営業利益率は会社の公表値で、2017〜2025年3月期は [12] の11年間サマリー、2026年3月期は [1] p3・p4。1株配当は各年度に実際に支払った額で、2018年4月1日・2021年4月1日・2024年4月1日に1株を2株に分割したため、年度をまたいで比べられません。2023年3月期の63円は創業40周年の記念配当10円を含みます [10]。配当性向は会社の公表値で、2026年3月期は [1] p3、ほかの年度は [10]。
営業利益は、このレポートで扱う10期すべてで前期を上回り、13,650百万円から75,295百万円になりました。配当性向は10期とも30.0〜36.1%の範囲です。配当の方針の表記は資料で違い、株主還元ページと2023年6月20日の株主総会は「連結配当性向30%」、2026年5月13日の資料は「30%以上」でした [9][10][2] p17・[3] p2。
自己株式の取得(会社が挙げたまとまった買付け)[10]
- 2017年3月期(2016年8〜9月):1,480,600株、3,299,875,500円
- 2019年3月期(2018年10〜11月):2,737,100株、5,999,723,200円
- 2023年3月期(2022年5〜6月):4,387,353株、13,644,667,830円
- 2026年3月期の自己株式の取得による支出は1百万円 [15]
この10期に営業利益が毎期増えるあいだ、配当性向は30%台、まとまった自己株式の取得は3回でした。
事業別の売上高と営業利益(5期)
| 事業 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| デジタルコンテンツ | 87,534/45,359(51.8%) | 98,158/53,504(54.5%) | 119,841/59,831(49.9%) | 125,128/65,172(52.1%) | 144,277/70,618(48.9%) |
| アミューズメント施設 | 12,404/652(5.3%) | 15,609/1,227(7.9%) | 19,343/1,868(9.7%) | 22,750/2,432(10.7%) | 25,656/3,201(12.5%) |
| アミューズメント機器 | 5,749/2,348(40.8%) | 7,801/3,433(44.0%) | 9,020/4,117(45.6%) | 15,613/6,701(42.9%) | 17,780/10,033(56.4%) |
| その他 | 4,366/1,517(34.7%) | 4,360/1,433(32.9%) | 4,204/883(21.0%) | 6,111/2,484(40.6%) | 7,650/3,645(47.6%) |
| 全社費用などの調整額 | △6,967 | △8,785 | △9,618 | △11,013 | △12,203 |
注:各セルは「売上高/事業の利益(利益率)」、百万円。利益率は会社の公表値 [1] 補足p2・p8〜p10。金額は2022〜2025年3月期が統合報告書2025のセグメント情報 [12]、2026年3月期が有価証券報告書 [13]。
デジタルコンテンツ事業は、家庭用ゲームなどゲームの販売を担う事業です。5期とも売上高と利益が最も大きい一方、利益率は51.8%、54.5%、49.9%、52.1%、48.9%と上下しました。アミューズメント機器事業(スマートパチスロなど)の利益は2,348百万円から10,033百万円へ増え、2026年3月期の利益率56.4%はデジタルコンテンツ事業の48.9%を上回っています。全社費用などの調整額のマイナスは、2022年3月期の△6,967百万円から2026年3月期の△12,203百万円まで、毎期大きくなりました。
2026年3月期は、ゲームの事業に加えて、アミューズメント機器事業の利益も前期の6,701百万円から10,033百万円へ増えました。
地域別の販売本数と売上高
| 地域 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北米 | 1,170 | 1,260 | 1,390 | 1,545 | 1,728 |
| アジア | 389 | 770 | 910 | 1,120 | 1,349 |
| 欧州 | 780 | 800 | 950 | 964 | 1,340 |
| 中南米 | 280 | 420 | 445 | 503 | 695 |
| 日本 | 550 | 820 | 779 | 838 | 593 |
| オセアニア | 48 | 60 | 65 | 76 | 96 |
| 中東 | 25 | 34 | 40 | 141 | 94 |
| アフリカ | 5 | 6 | 8 | 8 | 12 |
注:家庭用ゲームの地域別の販売本数(万本、四捨五入した概数)[2] p9。
2026年3月期に最も多く売れた地域は北米の1,728万本で、アジアの1,349万本、欧州の1,340万本が続きます。表の最初の期と比べた本数の動きは、中南米が280万本から695万本、アジアが389万本から1,349万本。日本は2025年3月期の838万本から593万本へ減りました。
地域別の売上高(連結、顧客の所在地・利用者の居住国による区分、百万円)[13]
- 日本:2025年3月期 68,627 → 2026年3月期 64,129
- 米国:41,423 → 53,199
- 欧州:21,690 → 33,456
- その他:37,863 → 44,579
- 合計は連結売上高と同じ値(169,604/195,365)で、ゲーム以外の事業も含みます
売上高の地域は4区分で、本数の8区分とは分け方が違います。売上高はゲーム以外の事業も含むため、本数で割って1本あたりの金額にすることはできません。
2026年3月期は、日本で本数と売上高がともに前期を下回り、北米・欧州・アジアでは本数が前期を上回りました。
開発投資額・仕掛品・評価損
| 年度 | 開発投資額 | ゲームソフト仕掛品(期末) |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 29,862 | 31,192 |
| 2023年3月期 | 37,719 | 38,510 |
| 2024年3月期 | 43,042 | 39,035 |
| 2025年3月期 | 49,496 | 49,209 |
| 2026年3月期 | 54,836 | 54,628 |
注:百万円。開発投資額は会社の公表値で、統合報告書では「研究開発投資額」と表記 [12][13]。
ゲームソフト仕掛品は、製品化を決めた作品の制作費を資産として計上した額の期末残高です。有価証券報告書は、資産に計上した制作費を「見込販売収益に基づき売上原価に計上」すると記載しています。帳簿の額が正味売却価額を上回る作品は、発売前・発売後とも「簿価切下げ」の対象です(評価損)[13]。開発投資額と仕掛品は、2022年3月期から毎期増えました。2027年3月期の開発投資額について、会社は629億円の計画を示しています [1] 補足p1・p3。
作品づくりのお金について、会社が示した説明
- 2024年5月13日の質疑:過去5年間の開発投資額に対する評価損は約14〜25%、平均約20%。タイトルごとに目標ROI(投資に対して見込む利益の割合)を設定 [6] p1
- 統合報告書2025:開発コストは1〜2年で回収できるため、価格を下げた後でも利益に貢献する。単年度ではなく5年間を視野に入れる [11]
- 評価損の金額:2024年3月期は105億円 [5] p2。2026年3月期は「概ね想定の範囲内」という説明だけで、金額は未確認 [3] p3
タイトルごとの回収期間・目標ROIの値・評価損の内訳は開示されていません。
作品づくりに使う額と、資産として残る額は2022年3月期から毎期増え、会社は過去5年の評価損を開発投資額の約14〜25%と説明しています。
出典と用語
出典一覧
| 番号 | 資料名(カプコン) | 発表日 | 使った頁 | URL | 確認日 |
|---|---|---|---|---|---|
| [1] | 決算補足資料(2026年3月期実績・2027年3月期計画) | 2026年5月13日 | p3〜p10・p14・p17・補足p1〜p3 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2026/full/explanation_2026_full_02.pdf | 2026年10月6日 |
| [2] | 決算補足資料(中長期戦略) | 2026年5月13日 | p6・p9・p12・p17 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2026/full/explanation_2026_full_03.pdf | 2026年10月6日 |
| [3] | 決算説明会 質疑応答概要 | 2026年5月13日 | p1〜p3 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2026/full/explanation_2026_full_04.pdf | 2026年10月6日 |
| [4] | 2025年3月期 決算補足資料 | 2025年5月13日 | p3〜p6・p9 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2025/full/explanation_2025_full_02.pdf | 2026年10月6日 |
| [5] | 2024年3月期 決算補足資料 | 2024年5月9日 | p2・p7・p11・p12・p14・p15 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2024/full/explanation_2024_full_01.pdf | 2026年10月6日 |
| [6] | 決算説明会 質疑応答概要 | 2024年5月13日 | p1・p2 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2024/full/explanation_2024_full_04.pdf | 2026年10月6日 |
| [7] | 2021年3月期 事業戦略および計画 | 2020年5月12日 | p3〜p6・p9・p14〜p16 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2020/full/explanation_2020_full_01.pdf | 2026年10月6日 |
| [8] | 決算説明会 質疑応答概要 | 2020年5月12日 | p1・p2 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2020/full/explanation_2020_full_03.pdf | 2026年10月6日 |
| [9] | 第44期定時株主総会 質疑 | 2023年6月20日 | p1 | https://www.capcom.co.jp/ir/assets/pdf/stock/2023capcom_e.pdf | 2026年10月6日 |
| [10] | 株主還元(ウェブページ) | - | 配当・配当性向・株式分割・自己株式取得 | https://www.capcom.co.jp/ir/stock/dividend01.html | 2026年9月11日・2026年10月6日 |
| [11] | 統合報告書2025「COOが語る成長戦略」 | 未確認 | - | https://www.capcom.co.jp/ir/data/oar/2025/coo.html | 2026年10月6日 |
| [12] | 統合報告書2025 財務データ(11年間サマリー・セグメント情報・財務ハイライト) | 未確認 | - | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/annual/2025/annual_2025_finance_01.pdf / https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/annual/2025/annual_2025_finance_02.pdf / https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/annual/2025/annual_2025_04.pdf | 2026年9月11日 |
| [13] | 2026年3月期 有価証券報告書 | 2026年6月16日 | セグメント情報・地域ごとの情報・ゲームソフト制作費の会計方針・会計上の見積り | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/yuuka/2026/yuuka_2026_full_01.pdf | 2026年9月11日・2026年10月6日 |
| [14] | シリーズソフト販売本数(ウェブページ、2026年8月末現在の表示) | - | - | https://www.capcom.co.jp/ir/business/salesdata.html | 2026年10月6日 |
| [15] | 2026年3月期 決算短信(キャッシュ・フロー) | 2026年5月13日 | - | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/result/2026/full/result_2026_full_01.pdf | 2026年9月11日 |
| [16] | 2022年3月期 事業戦略および計画 | 2021年5月13日(説明会の実施日) | p7 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2021/full/explanation_2021_full_01.pdf | 2026年10月6日 |
| [17] | 2023年3月期 事業戦略および計画 | 2022年5月11日 | p7 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2022/full/explanation_2022_full_01.pdf | 2026年10月6日 |
| [18] | 2024年3月期 事業戦略および計画 | 2023年5月10日 | p11 | https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2023/full/explanation_2023_full_01.pdf | 2026年10月6日 |
| [19] | ミリオンセールスタイトル一覧(ウェブページ) | - | 発売日 | https://www.capcom.co.jp/ir/business/million.html | 2026年10月6日 |
PDF 資料の頁は資料の下部に印字された番号で、PDF のページ番号とは一致しない場合があります。家庭用ゲームの本数と比率は、2020・2021年3月期が [5] p15、2022〜2026年3月期が [1] p6 の値です。
用語
| 用語 | このレポートでの意味 |
|---|---|
| 新作/旧作 | 新作=その期に発売したタイトル。旧作=会社の言うリピートタイトル(前期以前に発売したタイトル) |
| 旧作の比率 | 家庭用ゲームの販売本数に占める旧作の本数の割合(会社の公表値) |
| デジタル比率 | 家庭用ゲームの販売本数に占めるデジタル販売の本数の割合(会社の公表値) |
| 開発投資額 | 会社が決算補足資料で公表する開発投資の額。統合報告書の表記は「研究開発投資額」 |
| ゲームソフト仕掛品 | 製品化を決めた作品の制作費を、資産として計上した額の期末残高 |
| 評価損 | 収益性が下がった作品の仕掛品を、正味売却価額まで切り下げた額 |
| 開示値 | 会社の資料に載っている値。このレポートの数字は、営業利益率・事業別の利益率・前期比を含めてすべて開示値 |
| 本数 | 万本単位の概数。内訳の合計と総数が一致しない年度がある |
この記事の作り方:AI が会社の一次資料(有価証券報告書・決算短信・決算説明資料・中期経営計画)から下書きし、数字と言葉が資料の該当ページに書かれているかを、書いていない別の AI と機械の確認で1件ずつ照らし合わせています。公開の前に人が読む確認はしていません。
調査基準日:2026年10月6日。株価・予想・売買の推奨は扱いません。誤りに気づいたら訂正の連絡先へお知らせください。用語の共通の決まりと免責は企業分析の記事についてにあります。